「幻影の館」顛末記本編その4
ACT.6 ナスがままにいじられる罠
地下へ向かう。…が待ち受けているような予感もするので、さきほど使ったナプキン類とか途中で通りかかった書斎で見つけた羊皮紙とかを少々集めながら一行の後についていく。松明をもっているので、いざというときは焚きつけプラス松明で逃げる時間くらい稼げるだろう、という読み。…しかし、退路を絶たれたら痛いよなあ…とか思案しつつ歩く。
地下に向かう階段を降り、突き当りの扉を開けると、そこはいわゆる地下牢であったらしい。広くなったホールを取り囲むように牢屋が並んでいる。中には大小入り混じった白骨たち。
「中に入らないの?」いや、だからさ、今まで散々いきなりドアが閉まってなかったか?ドアが閉まって全部起きて来たら(そして牢屋の鍵がいっせいに外れたら)すごいことになりそうなので、ドアをあけた状態で背中で押さえていることに…「あ、でも何かドアストッパーの役目をするものがあれば大丈夫なんでしょ?あそこにある壷なんかどう?」フランがそう言って室内にある壷の方へと近寄っていく。他の2人も白骨に警戒しているのだろう、フォローできる距離を保ちつつ、警戒を怠らない。
「…んじゃ、これでドアを止めればいいわよね。重そうだから転がして…」ごろん、と壷が転がるのと、中から白いもやのようなものが出現したのは同時だった。ソレは意思を持っているかのようにうねりながら…そばにいたフランに…ちょ!フランはスルー、他の2人もスルーかよ!何で一番距離のある俺のところへ向かってくるんだ!
かわそうかともちらりと考えたが、扉から引き離すための罠かも…いや、迷う暇なし!狙ってるとしか思えない!とっさに腕を上げて防御体制をとる。…まあ、無駄だろうな…あ~やっぱりまとわりついてきた…。
「あれ…マジックジャーとか書いてあるけど…。」やば。フランが何か言ってるが、それどころじゃない。意識薄れてきた…。
DM:ダイス振って~。…判定して…あ、2ターンの間シュワルツはおたんこなすになりますw
シュワルツPL:おたんこなすって何!?…えーと、コンフュージョンみたいなものかなあ…んじゃあパニック起こして固まります。
何か白いものキター!…って?え?何?何?なんだかよくわかんないけど何がおこってるの?ボクどうしたらいいの?ボクここにいていいの?えーとえーと迷子になったときは動かない!たとえ頭の中が迷子でも!(←パニックにより絶賛退行中w)
「大丈夫なの?」「気分どう?」3人のおねーさんたちが近づいてくる。「シュール君、大丈夫?」一番小さいおねーさんにそういわれたけど、ごめんなさい!なにがどうだいじょーぶなのかわかりません!「えっと…何?」「え?」「何がどーなってるニャ?」「…ニャって~!」「ニャって~!」あ、どうしよう…おねーさんたち…こ…こまってる…(中の人達には大うけだったようですがね!)。
「とりあえず、手を握っててあげるから。この部屋を出よ。」小さいおねーさんはボクの手を取ると、部屋の外へとひっぱる。ボクのいたところにつぼを転がして、めがねのおねーさんが「まあ、これならストッパーになるかしらね」と言ってる。背の高いおねーさんは、剣の柄に手をかけたまま、無言でまわりを見回してる。その後、なんかいろいろ聞かれたけど、わかんないことだらけでうまく答えることができなかった…。
DM:そろそろ2ターン経過して元に戻ります。
シュワルツPL:あ、じゃあとりあえず我に返って手を…
DM:あ、おたんこなす状態の記憶もばっちりあるからよろw
シュワルツPL:にゃ~!!!なんてこった!
DM:腐腐腐w
シュワルツPL:ぎにゃ~~~~~~!!!!
…頭が冷えると同時に、顔から血の気が引いていくのがわかる。うわ…最悪…。いっそ意識なくして倒れたい…。
「…シュール君?」「…。」「気持ち悪い?」「…いや…もう大丈夫だから…」「んじゃ何でそっぽ向いてるの?」「…。」いや、ホント大丈夫ですから手を離してくださいお願いしますマジで!…でもここで怒鳴ると逆ギレだよな…。そう判断できてしまう程度に精神状態が回復しているのが救いのようなそうでないような…。
「で、結局なんだったわけ?」「…断言はできないけど…『マジックジャーに閉じ込められたおたんこなすの魔法使いの悪霊』…みたいな…?」「なんだかよくわからない代物だね…。」「で、とり憑かれたってわけね…。今はどうなの?」「…混乱するだけ混乱させたあげく消滅していったような気がする…。」「そっか~。よかったね、シュール君。」「…悪かったよ…」くそう。能天気に言うな!ほんの数刻なら放置されていた方がどんなにか…!…でも言わない。こわいおねーさんたちに殴られそうだし。
その後、ちょっとだけ地下室を確認。気合入らねえ…。悪霊にとり憑かれたというより、自分の人生の大迷宮にいたころのことが盛大に思い出されて、メロウなことメロウなこと。…何だか何にも見つからない。てか閃きがない。…あ~、なんかコレは…かなりキてるな…。