20070630幻影の館(4) of 床下通信オンライン

ジャンクっぽいモノモノ置き場的なナニカ。大丈夫なのか。続くのか。

「幻影の館」顛末記本編その2

ACT2  上だ!

 村を出て、ほとんど獣道といってもいいような道を森へ向かう。先頭で鼻歌を歌いながら件の館へと案内するメディーヌの手に提げたバスケットからは、焼きたてのスコーンの匂いがぷんぷんと漂っている。…だから何でおやつ持参なんだよ。鴨が葱背負ってなんとやら…?
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 森に入ると腐臭がただよってくる。ふと、違和感を覚えて上を見る。枝の上にゾンビが6体…ちょっとまった、何故枝の上!?
 「上だ!」頭の片隅に疑問を引っ掛けたまま、体のほうが反応する。警戒を呼びかけて、下がる。6体のゾンビは俺たちを襲うべく枝から落ちてき…いや、まともに襲ってきたのは3体だけ。1体はいまだ枝の上、そして残り2体はよく見ると枝に刺さっている。なんだそりゃ?
 3対のゾンビは怖い女たち…もとい、頼もしい仲間たちが華麗に退治する。…うは、敵に回したくねえなあ。枝の上にいた1体は一足遅いダイブに失敗したらしく動かなくなった。刺さっていた2体はちぎれて落ちてきたが、下半身がない状態では襲って来れない。…だから何のために枝の上なんかに配置したんだよ、作った奴は!
 その作った奴が近くにいるかと気配を探る。操っている何者かの気配はない…というか…ゾンビたちに不死の精霊力が働いていない…?確かにゾンビだと思ったんだが、違うのだろうか。

ACT3  館の中へ、そしてありまくりの違和感

 館の前までやってくる。外をぐるりと一周して妙なものがないか確認し、入り口の扉に仕掛けがないか調べる。幼いころから中で散々遊んだというメディーヌは、早く入ろうと一行を急かす。…一応依頼だからとなだめながらフランとエスリンが扉を調べ、開けようと試みる。…中から物音は聞こえなかったが、何かが飛び出してきたときのためにドアわきで杖を構えておく。
 中へ入ったものの、どうも変だ。入り口の扉を開けるとき「中に何かいた」と言い出す奴はいるし、全員が中に入ったとたん扉が閉まったり、ばさばさとごみが落ちてきたりする。偶然といえば偶然のような、悪意があるといえばあるような。…しかし、決定的な証拠になるようなトラップとか罠とかは見当たらない。精霊の働きにおかしなところは感じられない。…が、フランが言うにはこの場(館も森も)は魔法的な力に満ちているそうだ。
 内部は暗いので、手持ちのたいまつに火をつける。廊下にある燭台には蝋燭が据え付けてあったが、火をつけてまわっても風もないのにすぐに消えてしまう。…どういう仕掛けなのか。…それとも、魔法の働きによるのか。

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